柳田国男が明治四十三年に上梓した伝説集、「遠野物語(付 遠野物語拾遺)」を読みました。

遠野(現岩手県遠野市)が、筆者が描写するところの「人煙の希少なること北海道石狩の平野よりもはなはだし」風景にある頃の伝説記録です。
日本の民俗学に一つの方向性を示した文献としても有名です。
話一つが四百字前後、全百二十話ほど。また遠野物語拾遺には三百話ほどが収録されています。
家一族の富貴をつかさどるザシキワラシ、オシラサマやオクナイサマの伝説は有名です。
また、神隠し、山人、河童や天狗の伝説、様々な動物譚も多く収められています。
山中に突然現れ、また忽然と消え失せる幻の家屋「マヨイガ」の伝説は印象的でした。
日本のフォークロアと言える物語が多いのですが、遠野固有の物語もあるようです。
僕は、子供の頃から親しんだ物語には懐かしさを覚え、初めて読む話には好奇心を刺激されました。
この本が上梓された時代の読者は、僕以上に深い感銘と一体感を覚えたことでしょう。
では、次世代の読者はどの様にこの本に取り組むのでしょう?
新しい世代の日本人が新しい物語を作り出すためのインスピレーションをこの遠野譚に求める事も、良いかも知れません。
クリエイティブな仕事に携わる若者には、「ストーリーの宝箱」と言えるこの書籍の精読をお勧めします。
柳田民俗学の系譜を継ぐであろう宮本常一のフィールドワークはつとに有名です。

こちらは昭和期に入ってからの民族譚。僕等にはより親しみやすいかも知れません。
宮本常一は周防(山口県)大島の出身。周防大島は僕の一方のルーツです。